読書から国語力を育てることばの学校【今月の一冊】

今月のこの一冊

ことばの学校とっておきの
ラインナップの
1冊を紹介します!

2月の一冊

『あらしのよるに』
木村裕一/文 あべ弘士/絵
講談社 1,100円 1994年初版
テーマ
思いやり
読後感
ドキドキ・ワクワク・じーんとする
絵のタッチ
躍動感がある
データ
シリーズ350万部のベストセラー

著者が語る!シリーズ350万部『あらしのよるに』秘話
『あらしのよるに』

オオカミとヤギがひょんな事から相手の正体を知らないまま友だちになる『あらしのよるに』

ポイント

著者の木村裕一さんは講演会でこんなことを語っていました。
「物語を料理にたとえるなら、子ども本人がおいしいと思い、親はわが子とって栄養があると思えるものを書きたい」

こんなふうに語っていました。

「それには人間への興味につながるものが良い」

『あらしのよるに』は、オオカミとヤギは友だちだけれど、いつか食べられてしまうのでは?
こんな気持ちでハラハラしながら、ページをめくる手が止まりません。
ラストもこの後はどうしたんだろう?
そう想像させます。
これがシリーズ7巻続けて楽しめます。
シリーズの最後は大人も泣けるストーリーなっています。

木村さんの著作には大人向けに『きむら式 童話のつくり方』(講談社現代新書)があります。
その中でこの『あらしのよるに』シリーズについて、次のように言及している部分があります。


「あらしによるに」で非常におもしろかったのは「その後の話」というのが、読者からいっぱい(手紙で)来たこと。

「一からお話を書いてください」と言ったら書けないかもしれない。
けれども、その話を夢中になって読んでから、続きを書けと言われたら、すぐに頭の中でいろいろ想像ができて、書けない子もかけちゃった、ということもあるだろう。

本を読む良さというは単に読んで終わりということでなく、その後の話を想像する楽しみもあります。

お子さんに、お話の続きがどうなったと思う?
こんなふうに、ぜひ聞いてみてください。

1月の一冊

『くいしんぼうのはなこさん』
石井桃子/作 中谷千代子/絵
1,210円 1965年初版
テーマ
子どもの願望
読後感
ユーモラス、どきどき
絵のタッチ
あたたかさぬくもりを感じる。

正月太り、そんなの関係ない!?
『くいしんぼうのはなこさん』

食べものは好き嫌いばかりの、わがままな子牛のはなこさん。
そんなわがままが元で、ある日、はなこさんは大変な目にあいます。
はなこさんは、みんなの分のお芋とカボチャを、ひとやま丸々食べてしまうのです。
体はバルーンのようになってしまい苦しむのです。
みんなが嫌いな、あることをして何とか助かるのでした。

ポイント

のんびりとした牧場。
ユーモラスな子牛の表情。
ふんわりとして、あたたかな絵で表現されています。

絵を見ていると、はなこさんのわがままも憎めなくなりそうです。
お話は「こんな、わがままのしたい放題をやってみたい」という夢を見せてくれます。
最後は、こらしめられる昔話風のお話も、落ち着いて読める理由です。
憎めないはなこさんに会ってみたくなります。