解決しないから面白い!
『たぬきのじどうしゃ』
たぬきのおじさんが車に乗って走っていると、さかながふるえながら車の中に飛び込んできて助けを求めます。かいぶつが出たので助けてほしいと魚は言うのでした。
ポイント
たぬきのおじさんは、かいぶつに遭遇します!
かいぶつと戦ったり、ひょんなことで助かったりと、たいていのお話は予定調和な物語の流れになるのですが、この作者はそれを良しとしません。物語に乗っかって行く心地良さがこの作品の価値ではありません。読み手が拍子抜けしたような感覚のままお話は終わってしまいます。しかし、それがなんとも言えない魅力です。余韻に残る乾いたユーモアに、一件落着しない世界こそおもしろいと気づかされます。
4A グレード