読書から国語力を育てることばの学校【今月の一冊】

今月のこの一冊

ことばの学校とっておきの
ラインナップの
1冊を紹介します!

1月の一冊

『吾輩は猫である』(上)
夏目漱石/作 村上豊/絵
1905年初版
テーマ
ユーモア・風刺
読後感
おかしい
絵のタッチ
水彩・淡い・まるい

トラじゃない!わがはいはネコである。
『吾輩は猫である』(上)

くしゃみ先生のうちに飼われる名もない猫が主人公。
先生とそれを取り巻く人間たちを観察して、人間というものの愚かさを批判します。

ポイント

作品発表から100年を過ぎて、なお、愛されている小説です。
長い小説ですが、漱石後期の作品に見られる深刻な人間関係を扱った作風ではありません。

ひょうひょうとして、ユーモアがきいた作品です。
たくさんの小さなエピソードを寄せ集めたような内容です。

飼い主のくしゃみ先生は夏目漱石自身がモデルです。
飼い猫の視点を借りて、書き手自身が自分に批判を加える書き方なのです。

猫の調子はこんな感じです。

「吾輩は人間と同居して彼らを観察すればするほど、彼らはわがままなものだと断言せざるをえないようになった。」

「どうしても我ら猫族が親子の愛をまったくして美しい家族生活をするには人間と戦ってこれをそう滅せねば」

「いくら人間だって、そういつまでも栄えることもあるまい。まあ気を長く猫の時節を待つがよかろう」

こんな感じで愉快な作品です。
ネコと一緒に楽しい1年にしましょう。