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読書から国語力を育てることばの学校【今月の一冊】

今月のこの一冊

ことばの学校とっておきの
ラインナップの
1冊を紹介します!

6月の一冊

『キャベツくん』
長新太/作・/絵
1430円 1980年初版
テーマ
ふれあい
読後感
ほのぼの
絵のタッチ
明るい

ぼくをたべると、こうなる!
『キャベツくん』

腹がすいたブタヤマさんは、キャベツくんのことを食べたくなってしまいます。
「ぼくをたべると、キャベツになるよ!」というと、キャベツになったブタヤマさんの様子が空にぽっかり浮かびあがりました。
その後、キャベツを食べてしまうと、動物がキャベツになってしまう様子が次々に空に描かれていきます。

ポイント

絵本をめくるたび、次にはどんなふうに動物がキャベツに変わっているのだろうかと、わくわくします。
そして、めくってみると、その絵の不思議な魅力に見入ってしまいます。
ストーリーを読み取るのではない、この本ならではの不思議な気持ちになるための絵本です。
3A グレード

5月の一冊

『ふしぎなたいこ』
石井桃子/作 清水崑/絵
880円 1953年初
テーマ
奇想天外
読後感
急転直下
絵のタッチ
さらりとした筆絵 ユーモラス

はながどんどん高くなる
『ふしぎなたいこ』

げんごろうさんはふしぎなたいこを持っています。
たいこの片方をたたいて「鼻高くなれ、鼻高くなれ」という言うとピノキオのように鼻がどんどん高くなります。
反対側をたたいて「低くなれ、低くなれ」と言うと高くなった鼻が低くなります。
人を喜ばせるために使うには良いのですが、げんごろうさんが自分だけのために使ったために事件が起こります。

ポイント

調子にのって、たたいていたら、鼻が天国まで届いてしまうのです。
結末はある生き物にげんごうろうさんがなってしまうという話です。
いったい何だと思いますか。虫ではありません。
2A グレード

4月の一冊

『宿題ひきうけ株式会社』
古田足日/作 長野ヒデ子/絵
1,320円 1966年初版
テーマ
社会風刺
読後感
はっとする
絵のタッチ
太い筆致 めぢからがある

なぜ宿題をしなければならないのか
『宿題ひきうけ株式会社』

宿題を本人のかわりにやってくれる会社。「そんな会社があったらいいなあ」と会社を作ったのはサクラ小学校の5年生たちです。宿題ひきうけ会社の仕事は宿題をやる係と宿題をやってほしいというお客さんの注文を取って歩く係りに分かれています。どちらもなかなか大変な仕事なのでした。
あるとき、学校の学級会で会社の存在を先生に知られてしまいます。先生から会社は解散を命じられてしまうのでした。

ポイント

お話の展開はその後、宿題を学校から与えられる仕事ととらえ、大人の社会の労働問題とつなげて語られていきます。競争原理で成り立つ「社会」とはいったい何なんだろうという大きなテーマに切り込んでいきます。
D グレード

3月の一冊

『赤毛のアン』
L.M.モンゴメリ/作 村岡花子/訳 HACCAN/絵
858円 1908年初版
テーマ
成長
読後感
わくわく
絵のタッチ
現代的・かわいらしい

個性的な少女と美しい四季の物語
『赤毛のアン』

孤児のアンはマシュウおじさんとマリラおばさんの家へ引き取られます。
そして、おじさん、おばさんや学校で出会う友人たちとの交流を通して、アンが自分を見つめ、生きる喜びを感じる瞬間、瞬間が描かれていきます。

ポイント

風変りな少女という印象のアンが主人公です。
人の話を聞き入れられず、自分の話ばかりするような、少し困った人なのです。
ところが、読み進めていくと、アンの個性として、その違和感はむしろプラスに変わります。
生き生きとした人間性が魅力的に感じるようになります。
アンを引き取ったマシュウやマリラがそうなったように、アンの想像力あふれる話を続けてもっと聞きたくなってしまいます。

たぐいまれな想像力と純粋な(まっすぐで、それだから失敗もする)性格の持ち主・アンの成長がカナダのプリンスエドワード島の美しい四季を背景に絵物語のように語られます。

E グレード

2月の一冊

『たぬきのじどうしゃ』
ちょう しんた/作・/絵
1320円 1987年初版
テーマ
ナンセンス
読後感
奇妙、不思議
絵のタッチ
ぐいぐい塗られた絵

解決しないから面白い!
『たぬきのじどうしゃ』

たぬきのおじさんが車に乗って走っていると、さかながふるえながら車の中に飛び込んできて助けを求めます。かいぶつが出たので助けてほしいと魚は言うのでした。

ポイント

たぬきのおじさんは、かいぶつに遭遇します!
かいぶつと戦ったり、ひょんなことで助かったりと、たいていのお話は予定調和な物語の流れになるのですが、この作者はそれを良しとしません。物語に乗っかって行く心地良さがこの作品の価値ではありません。読み手が拍子抜けしたような感覚のままお話は終わってしまいます。しかし、それがなんとも言えない魅力です。余韻に残る乾いたユーモアに、一件落着しない世界こそおもしろいと気づかされます。
4A グレード

1月の一冊

『赤毛のアン』
L.M.モンゴメリ/作 村岡花子/訳 HACCAN/絵
858円 1908年初版
テーマ
成長
読後感
わくわく
絵のタッチ
現代的・かわいらしい

個性的な少女と美しい四季の物語
『赤毛のアン』

孤児のアンはマシュウおじさんとマリラおばさんの家へ引き取られます。
そして、おじさん、おばさんや学校で出会う友人たちとの交流を通して、アンが自分を見つめ、生きる喜びを感じる瞬間、瞬間が描かれていきます。

ポイント

風変りな少女という印象のアンが主人公です。
人の話を聞き入れられず、自分の話ばかりするような、少し困った人なのです。
ところが、読み進めていくと、アンの個性として、その違和感はむしろプラスに変わります。
生き生きとした人間性が魅力的に感じるようになります。
アンを引き取ったマシュウやマリラがそうなったように、アンの想像力あふれる話を続けてもっと聞きたくなってしまいます。

たぐいまれな想像力と純粋な(まっすぐで、それだから失敗もする)性格の持ち主・アンの成長がカナダのプリンスエドワード島の美しい四季を背景に絵物語のように語られます。

E グレード