読書から国語力を育てることばの学校【今月の一冊】

教室に導入したい方

受講生 MYページ
会員専用ページはこちら

パートナー塾
専用ページはこちら

今月の一冊

ことばの学校とっておきのラインナップの1冊を紹介します!

『ねずみのいもほり』

薗田いっきゅう先生

今回の本

ねずみのいもほり

『ねずみのいもほり』

山下明生/作 いわむらかずお/絵 
864円 1984年初版

テーマ

お父さんのアイデア道具

読後感

楽しそう

絵のタッチ

愛らしい、柔らかい

あらすじ

芋ほり大会にねずみの7つ子が挑戦です。
お父さんがこの日のために芋ほり用のスコップを作ってくれました。
そのスコップはとっても便利なのです。
大会がある畑まで出かけるためのソリになったり、でんしゃになったり、ケーブルカーになったりできます。
楽しいお出かけになりました。

ポイント

帰り道も、あるものが、ねずみのお父さんのアイデアで乗り物に早変わりします。
このお話のキーマンはなんと言ってもアイデアマンのお父さん。
お父さんの手製の道具で、7つ子が過ごす時間が魔法のように変わるのです。
お父さんが作ってくれた道具や、おもちゃって、それだけで子どもにとっては、このお話のように特別な魅力があるものですね。何かを作ってもらったり、作ったりするとうれしくなりますね。

『たぬきのじどうしゃ』

今回の本

たぬきのじどうしゃ

『たぬきのじどうしゃ』

ちょう しんた/作・/絵
1,080円 1987年初版

テーマ

ナンセンス

読後感

奇妙、不思議

絵のタッチ

ぐいぐい塗られた絵

あらすじ

たぬきのおじさんが車に乗って走っていると、さかながふるえながら車の中に飛び込んできて助けを求めます。かいぶつが出たので助けてほしいと魚は言うのでした。

ポイント

たぬきのおじさんは、かいぶつに遭遇します!
かいぶつと戦ったり、ひょんなことで助かったりと、たいていのお話は予定調和な物語の流れになるのですが、この作者はそれを良しとしません。物語に乗っかって行く心地良さがこの作品の価値ではありません。読み手が拍子抜けしたような感覚のままお話は終わってしまいます。しかし、それがなんとも言えない魅力です。余韻に残る乾いたユーモアに、一件落着しない世界こそおもしろいと気づかされます。

『おつきさま でたよ』

今回の本

おつきさま でたよ

『おつきさま でたよ』

寺村輝夫/作 いもとようこ/絵 
1,296円 1985年初版 あかね書房

テーマ

お月見

読後感

ほんわか

絵のタッチ

かわいらしい、やわらかい

あらすじ

くりのきえんでは、お月見をすることになりました。特にやる気になっているのがたぬきのぽんたくんです。ぽんたくんはみんなの役割を決めて、お月見をすることを着々と進めます。

ポイント

おだんごもできて、すすきも取って来て、あとは月の出を待つだけだというのに、ところが、空には黒い雲が広がって来てお月さまが見えません。ここでぽんたくんは、先生にある料理を作ってもらい空に飛ばすことにしました。それがなんと!お月さまになるのでした。一気にそれまでの展開がファンタジーに変わるお話が子どもたちは大好きですね。
さて、ぽんたくんは何を空に飛ばしたかは読んでのお楽しみです。

「うきわねこ」

今回の本

うきわねこ

『うきわねこ』

蜂飼耳/作 牧野千穂/絵
1,512円 2011年初版 ブロンズ新社

テーマ

秘密のできごと

読後感

宙に浮いたような心地

絵のタッチ

柔らかいのに厚みがある

あらすじ

おじいちゃんからえびおにお誕生日プレゼントが届きました。浮き輪の贈り物でした。「満月の夜までしまって置くように」という手紙がいっしょに入っていました。満月の夜にえびおが浮き輪をつけてみると・・・・・・

ポイント

えびおが浮き輪をつけるとなんと空に浮かび上がることができたのです。空の上では同じく浮き輪をつけたおじいちゃんが待っていました。そして、おじいちゃんと秘密の夜のおでかけをすることになります。秘密にしておくようにおじいちゃんに言われたえびお。2人だけの秘密の共有。それは少し大人になることなのでしょうか。

「たなばたものがたり」

今回の本

たなばたものがたり

行事の由来えほん
『たなばたものがたり』

舟越克彦/作 二俣英五郎/絵
1,296円 2001年初版 教育画劇

テーマ

夫婦愛、星座

読後感

ロマンチック

絵のタッチ

水彩画の淡い色と線

あらすじ

おりひめとひこぼしが年に1度、7月7日にだけ会う「たなばた」の由来。

ポイント

おとなになると細かな部分はすっかり忘れてしまっていて、あらためて読み直してみると新鮮な発見があって面白いのが昔話です。今回わたしが一番はっとしたのはおりひめとひこぼしが再会する場面でした。二人が天の川を渡る時にカササギの群れがやって来て、橋になってくれたのでした。この絵本では見開きページを使い、淡い色合いの背景にカササギの群れがアーチを描いて飛んでいて牧歌的な雰囲気でした。橋はカササギだったということをすっかり忘れていました。昔の中国ではベガ(おりひめ)とアルタイル(ひこぼし)の間にある白鳥座がカササギに見えたようです。最後のページに詳しく由来が書かれたページもためになります。星座の話もからめながら、おとなと子どもがいっしょに読むことで話が深まりそうです。

「くわずにょうぼう」

今回の本

くわずにょうぼう

行事の由来えほん
『くわずにょうぼう』

谷真介/作 赤坂三好/絵
1,296円 2009年初版

テーマ

行事のゆらい

読後感

ドキドキする

絵のタッチ

版画、線が太い

あらすじ

七べえさんのところに、およめさんが来てくれました。ご飯を食べないのに、よく働くおよめさんだと喜んでいました。ところが、たくさんあったはずのお米が減っているのです。不思議に思った七べえさんは、こっそりおよめさんが食事をしているところをのぞいたのでした。そこで見たのはなんと、やまんばがおにぎりを50個ほども作って、頭にもうひとつ大きく開いた口から食べていたのでした。およめさんはやまんばだったのです。

ポイント

やまんばは正体がばれると、七べえさんを取らえて食べようとするのでした。この後「こどもの日」にしょうぶ湯につかるようになったできごとが起こるのですが、それは読んでのお楽しみです。

「行事の由来えほん●げんきにおよげ こいのぼり」

今回の本

行事の由来えほん・げんきにおよげ こいのぼり

行事の由来えほん
『げんきにおよげ こいのぼり』

今関信子/作 福田岩緒/絵
1,296円 2001年初版

テーマ

行事に親しむ

読後感

気分爽快

絵のタッチ

ほんわかしている

あらすじ

お話は江戸時代にさかのぼり、最初にこいのぼりができたときのエピソードが紹介されます。心やさしい武士が町の子どもたちのために作ったのが始まりだそうです。

ポイント

お話の冒頭、替え歌が出てきます。
「やねよりひくいこいのぼり ちいさいまごいはおとうさん いそがしそうにおよいでる」

皮肉でありながら、現代の住環境や世相をうまく表現しているように感じました。ここを話の糸口にかつては悠々と空を泳いでいたこいのぼりのお話が語られるのです。

「坂本竜馬」

今回の本

坂本竜馬

『坂本竜馬』

砂田弘/作 柳柊二/絵
670円 1985年初版

テーマ

歴史の転換点

読後感

わくわくする

絵のタッチ

重厚

あらすじ

江戸時代末に新しい日本の国づくりに力をそそいだ坂本竜馬の伝記です。竜馬は西郷隆盛がいた薩摩藩(鹿児島県)と仲が悪かった長州藩(山口県)を仲直りさせたことで有名です。強い2つの藩が力を合わせることで新しい国づくりができました。

ポイント

今年の大河ドラマは西郷隆盛。
坂本竜馬は、西郷隆盛といっしょになって日本の新しい国づくりがうまくいくように努力しました。

坂本竜馬と西郷さんが、はじめて出会った場面はこんな感じです。

西郷をたずねた竜馬は、まずそのりっぱなからだつきに圧倒された。
1メートル80近い身長、体重は100キロをはるかにこえていると思われた。それに顔も大きく、ぎょろりとした目、太いまゆ、ひきしまったくちびるには薩摩藩のリーダーにふさわしい風格がただよっていた。

歴史が大きく動き始める一場面ですね。

「おにたのぼうし」

今回の本

おにたのぼうし

『おにたのぼうし』

あまんきみこ/作 いわさきちひろ/絵
1,080円 1969年初版

テーマ

他者

読後感

せつない

絵のタッチ

あわい

あらすじ

節分の日、豆まきのお話。追い出されるはずのオニが、実は思いやりのあるオニだった。「おにた」は心やさしいオニの子。病気のお母さんの看病をする女の子のためにごちそうを持ってきます。女の子は「おにた」をオニだと知らずに豆まきがしたいと言うのでした。

ポイント

この絵本は追い出されるオニ側の視点で描かれた作品です。女の子が「おにた」をオニと知らず、無邪気に豆まきがしたいという言葉は「おにた」にとっては一番つらい。自分が当然だと思っていることは本当にそうなのだろうか。いつまでたっても分かることのできない他者の心。その存在を短い話の中で示してくれています。

「宿題ひきうけ株式会社」

今回の本

宿題ひきうけ株式会社

『宿題ひきうけ株式会社』

古田足日/作 長野ヒデ子/絵 
1,296円 1966年初版

テーマ

社会風刺

読後感

はっとする

絵のタッチ

太い筆致 めぢからがある

あらすじ

宿題を本人のかわりにやってくれる会社。「そんな会社があったらいいなあ」と会社を作ったのはサクラ小学校の5年生たちです。宿題ひきうけ会社の仕事は宿題をやる係と宿題をやってほしいというお客さんの注文を取って歩く係りに分かれています。どちらもなかなか大変な仕事なのでした。
あるとき、学校の学級会で会社の存在を先生に知られてしまいます。先生から会社は解散を命じられてしまうのでした。

ポイント

お話の展開はその後、宿題を学校から与えられる仕事ととらえ、大人の社会の労働問題とつなげて語られていきます。競争原理で成り立つ「社会」とはいったい何なんだろうという大きなテーマに切り込んでいきます。

「ふしぎなたいこ」

今回の本

ふしぎなたいこ

『ふしぎなたいこ』

石井桃子/作 清水崑/絵
691円 1953年初版

テーマ

奇想天外

読後感

急転直下

絵のタッチ

さらりとした筆絵 ユーモラス

あらすじ

げんごろうさんはふしぎなたいこを持っています。
たいこの片方をたたいて「鼻高くなれ、鼻高くなれ」という言うとピノキオのように鼻がどんどん高くなります。
反対側をたたいて「低くなれ、低くなれ」と言うと高くなった鼻が低くなります。
人を喜ばせるために使うには良いのですが、げんごろうさんが自分だけのために使ったために事件が起こります。

ポイント

調子にのって、たたいていたら、鼻が天国まで届いてしまうのです。
結末はある生き物にげんごうろうさんがなってしまうという話です。
いったい何だと思いますか。虫ではありません。