おまえがいないといいのにねえ……
『みにくいあひるの子』
一羽だけみにくい姿に生まれたあひるの子。それがもとで、まわりからは嫌われていました。そんな中、お母さんあひるだけはわが子として面倒を見てくれていました。しかし、時がたつにつれて、そのお母さんからも「お前がいないといいのにねえ」と見放されます。あひるの子は、いてもたってもいられず、走って走って、逃げ出すのでした。
ポイント
改めて読み返すと深刻なお話です。仲間のあひる、兄弟のあひる、にわとり、七面鳥、女の子、野ガモなど、まわりの生き物たちから嫌われ、いじめられます。そのため、住むところを点々としなくてはならないあひるの子。そんな、あひるの子、最後に救いが訪れるストーリー。めげずに一生懸命生きる人へのメッセージになっています。今回は『魔女の宅急便』の原作者として有名な角野栄子さんが翻訳したバージョンです。小さな子向けのダイジェスト版の絵本で読んでいた人には、こんなセリフや登場人物があったのかと新鮮に感じる訳です。