関東地方でこの冬初めて雪が舞った1月13日(土)は共通テスト初日、全国の会場で文系科目の試験が行われ多くの受験生が国語の問題にも取り組みました。受験の最高峰、大学受験入試幕開けとなる国語の出題について、ことばの学校担当として現代文に目を通した所感を徒然に記してみたいと思います。
まず問2小説文から。
現代文とはいえ70年以上も前の文章からの出題からだった昨年から一転、2017年に発表された牧田真有子氏の「桟橋」からの出題でした。やはり今風の文章なので圧倒的に読みやすく、設問も昨年度よりも解きやすい印象を持ちました。特筆すべきは問1、ことばの意味を問う問題で、ことばの学校の読解ワークかと空目してしまいました(笑)
(ア)うらぶれた
は注釈のある「男やもめ」に係る修飾語として使われていましたが、意味を知らないと正解は選べないであろう選択肢群でした。この辺りは、文脈から語彙を類推できる問題を多く揃えている読解ワークとはちょっとアプローチの仕方が違いますが、テストなので仕方ないですね。
ですが!
(ウ)やにわに、はことばの学校「読書ワーク」で最初は小学3~4年生推奨のCグレード『謎のズッコケ海賊島』でご対面後、合計5回も登場する鉄板語彙で、ことばの学校OB生は、きっと即答でしたね!
問1評論文は、渡辺裕氏による文化論が題材でしたが、まず語注にLDがあることに笑ってしまいました。皆さんはLDがわかる世代でしょうか?レーザーディスクのことですが吉幾三「おら東京さ行ぐだ」では都会の最先端を象徴していたLDがもはや過去の遺物として語注を伴う必要があることに時の流れを痛感した次第です。
さて本題に戻りましょう(笑)。漢字が昨年まで続いていた意味を問う問題が消え、5問とも文中にある語と同じ漢字を選択肢から選ぶ問題になり、センター試験時代に逆戻りしました。漢字といえば、この春、ことばの学校オリジナル漢字学習アプリがリリースされます。ことばの学校受講生の方は無料で使用できる自信作、乞うご期待です!
昨年までの追試問題にあった「生徒レポート校正タイプ」が本試験に登場しましたが、大学入試?と一瞬疑うほど簡単な問題だったのがこちら。
(i)ところが、小説を読んでから訪れてみると、今までと別の見方ができて面白かった。
の下線部を前後の文脈に合わせて具体的な表現に修正するとしたらどれがいいかという4択問題だったのですが、前後を読むまでもなく、この1文だけで別の見方ができたのは、「小説」ではなく「訪れた町」であることは明白です。ですが町のことを指している選択肢は1つしかないことが驚愕でした。
入試という極限状況の中、特に時間との勝負となる共通テストなので冷静な判断は難しい状況とはいえ、普段からしっかり主述や指示語を捉え、主題も意識して読む癖をつけていれば、大学入試でも恐るるに足らずですね。これから入試佳境期。全受験生、そして未来の受験生、頑張って!
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読むとくメソッドⓇことばの学校は読書から国語力を育てます!低学年から取り組める絵本タイプから入試に頻出する論説文や古典まで様々なジャンルの書籍を網羅!1冊1冊に語彙力を高める読書ワークをご用意!定期的に正確に読み解く力・語彙力を測定する読書指数Ⓡ診断を行っております!
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