出題形式と分量は昨年とほぼ同様で、読解分野が大問6問、全体の語数は約6000語。リスニング分野も大問が6問、読み上げ音声の総語数は1600語弱でした。
文章や音声に加えて図表、要点メモなどを参照することを考慮すると、かなりの情報量になります。しかし、そうは言っても、日本語ならそれほど苦労せずこなせる分量ですから、考えるべきはこの程度の情報量を英語で処理するための対策ということになりますね。そこで、共通テスト、TOEICなど情報量が多い試験の対策に役立つ英語学習法を2つご紹介します。
その1.英文を「返り読み」しない習慣を身につける
英語の原文を読んでから日本語の語順に置き換えて理解する読み方を返り読みといいます。
英語は日本語と語順が異なるのに漢文のように返り点がつかないので、返り読みをするのが多くの日本人の学習習慣になっています。
しかし、返り読みは読むスピードが遅くなりますから、共通テストのような語数が多い英文の情報処理には致命的です。
日頃から、可能であれば低年齢から、多くの英文を英語の語順のまま理解するトレーニングをすると返り読みの習慣から脱却できます。
多聴・多読のYOM-TOX(ヨムトックス)は、英語の語順を脳にしみ込ませることで返り読みを不要にする学習メソッドのひとつと言えます。
その2.ことばを正しくイメージする
読解分野では、単語や英文の意味を正しくイメージできないと解答にたどりつけず時間をロスする設問があります。
例えば、今年の第6問B問5は文章の
Whether these are still alive or not is unknown as no one has gone to collect them ― which is a pity.
から正解を導く設問ですが、
pityを「残念な」という辞書的な意味で片付ける学習では正解の選択肢英文と結び付きません。
反対に、“which is a pity”から「未達成感・改善期待」などをイメージすると解答は即断できます。
(ここでは関係代名詞whichが使われていますが、よく耳にするのは”It’s a pity.”という表現です。)
ことばが伝える状況や感情を正しくイメージする学習には事実や説明を書き連ねた文章よりも、表現豊かな物語文が適しています。
この点においても、YOM-TOX(ヨムトックス)の読本であるORTは理想的な英語教材といえるでしょう。