ことばの学校ブログ
花さき山(斎藤 隆介 作)
この 花さき山 いちめんの 花は、
みんな こうして さいたんだ。
つらいのを しんぼうして、
じぶんのことより ひとのことを おもって
なみだを いっぱい ためて しんぼうすると、
その やさしと、けなげさが、
こうして 花になって、さきだすのだ。
昨年、漱石の「こころ」が100年ぶりに新聞連作され、久しぶりに読み返してみました。
そのときに
「利己」と「利他」という2つの相反する精神を「善悪」の判断に
どうつなげていくのか?
社会と自己との関係をどう自覚していくことが重要なのか?
という命題について、現在の教育はその役割をちゃんと担っているのだろうか?
ということをふと感じました。
花さき山は、「利他」の美徳を主題とする物語です。
しかし、それは子どもたちに進んで自己犠牲せよ、と教えるものではないと思います。
そうではなく、しんぼうすることはつらいことだけれども、
それは自己実現の糧になるものだということを示唆しているのではないかと思うのです。