東京都立 進学指導重点校 問題編
「進学指導重点校」の入試問題なのですが、さすがに難しい問題です。
長文読解力、速読力、即解力、分析力、要約力、論述力など、幅広く、高度な力が
求められます。
長文問題は、大問三(小説)、四(論説)、五(古典を含む論説)の3題構成になっていて、
それぞれA・Bの2つの文章から、学校によって選択された問題を解いていきます。
文章が長いうえ、記述答案問題も「四」の最後に二百字程度のものがあり、
普段から速読力と、記述対策に十分な時間をかけておかないと太刀打ちできません。
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だいぶ日にちが経ちましたので、ここまでは前回の「高校入試国語①」のおさらいです。
今回は、その具体的な問題(条件作文)をご紹介いたします。
その前に、この記述型の問題の概要から。
長文問題のうち、「四」の論説文は、A・Bと2つ用意されています。AかBかは、
学校によって指定が異なります。
「三」の小説も「五」の古文を含む論説も同様です。
たとえば、2014年の場合、
「日比谷高校」は、「三」~「五」まですべて「A」
「戸山高校」は、「三」「四」は「A」で「五」のみ「B」
という具合です。
「A」の出典は、「ひとは生命をどのように理解してきたか」(山口裕之 著)で、
条件作文の設問は↓こちらです!
「しかし、もし生命とは単なる物理的な現象に対する人間の側の擬人的な読み込みであって
実存しないというなら、人間という生命の存在も錯覚だということになってしまうだろう」
とあるが、あなたはこの筆者の主張に対してどのように考えるか。
筆者の主張を踏まえた上で、二百五十字以内で書け。
それにしても、このような「悪文」を入試問題で必死で読まされて、
しかも、上述のような条件作文を課せられる受験生が気の毒でなりませんね。
ということは、この世には、非常に理解しづらい文章が氾濫していて、そのような文章に
遭遇したときにも、あわてず、ひるまず、超然と理解しうるだけの精神性まで
入試で求められているのだな、というふうに感じずにはいられません。