「書く」能力を高めるために
2)構成力
構成力といっても、段階を追ってみていく必要があると思うんですね。
まずは、文の構成。
読み手にわかりやすい文を書くって、簡単そうでなかなか難しいものです。
こうしてブログでご紹介すること1つとっても、ひじょうに神経を使います(笑)。
A:むかしむかし、あるところに おじいさんと おばあさんが おったそうな。
この一文は、わかりやすいですか? わかりにくいですか?
はい。とってもわかりやすいです。
しかし、この文節の位置を入れ替えて
B:おじいさんと おばあさんが あるところに むかしむかし おったそうな。
どうでしょうね。前の文より、読みづらいと感じられるのではないでしょうか。
Aの文では、「いつ、どこで(に) だれが、どうした」という文節の順で文が構成されています。
Bの文は、「だれが+どこで+いつ+どうした」という順に変わっただけで、直感的な
流れるような、意味の理解がしづらい文になってしまいました。
「あるところに」も「むかしむかし」も「おったそうな」を修飾していますので、
文の構成上はまったく問題ないにもかかわらず、なんか変な感じですね。
このように、なにげなくですが、特に子どもの作文で起こりがちな、
「思いついたままを書いてしまった文」は、読み手に伝わりにくい文になりがちです。
つぎに、文脈です。
「読書感想文」を書かせると、なにを書けばよいのかわからないために、
とりわけ「あらすじ」をひたすらまとめてしまう、という作文になりがちです。
「あらすじ」を紹介しないわけにはいきませんが、
作文の95%くらいがあらすじの部分で、残り5%が
「おもしろかったです。」「悲しかったです。」という十字前後の感想で締めくくられた
感想では、、、(泣)ですね。
事前に書くことを整理して、どんな順で、どんな内容のことをまとめ、それに
どんな感想を書くのか? どんな影響を受けたのか? ということを結論づける、というふうに
構成を考えながら書く練習に繰り返し取り組ませてやりたいです。
手順をしっかり踏まえて書かせてやれば、もっと多くの子どもが書くことに自信を
深めていけるはずなんです、、、。
この構成する力がとても大切なのです。
「なぜこの本を読もうと思ったのか」
「この本のもっとも印象に残ったことはどこか?」
「それはなぜか?」
「自分が主人公だったらどうするか?」
「考え方が変わった点があったか?」
「それは具体的にどう変わったのか?」
などなど、はじめに項目を決めて、メモを作成し、この順に文章をまとめ、1つの作文に仕上げていく。
たとえば、このような構成に基づいて書くということを何回か繰り返していくと
将来、意見文や小論文を書く際にも活きてくるはずなんです。